ハゲの医学上の正式な名称は"脱毛症"です。
髪の毛には、“毛周期”があって3〜5年のサイクルで生え変わっていきますが、脱毛症は、再生して成長してくる毛より抜け落ちる毛の方が多いためにおこります。髪は年齢ともに次第に薄くなっていきますが、これは“老人性脱毛症”と言って自然な老化現象と考えられています。
老人性脱毛症に対して、それほどの年でもないのに髪の毛が薄くなっていく、それがいわゆる“若ハゲ”といわれる症状です。この若ハゲには、さまざまな原因が考えられています。
若ハゲの代表的なものが“男性型脱毛症”と言われる脱毛症でしょう。
男性型脱毛症は、男性ホルモンが関係していると思われる脱毛症ですが、最近では女性にも多く見られます。
髪の毛の毛乳頭の細胞内には男性ホルモンを受け入れるレセプター(受容体)があり、これに結びついた男性ホルモンが毛髪のタンパク質の合成を阻害し、再生のサイクルを狂わせると考えられています。レセプターの男性ホルモンに対する感受性には個人差があり、また、同じ人の頭部においても、男性ホルモンの影響を強く受ける部分とそれほど影響を受けない部分とが混在していると言われています。脱毛は男性ホルモンの影響を強く受ける部分で発生するため、その部分によってハゲのパターンもいくつかに分かれます。
しかし、なぜ男性ホルモンの影響を強く受ける部分と受けない部分があるのか、さらに個人差がなぜ生じるのかなど、男性ホルモンが引き起こすと思われている男性型脱毛症の詳しいことは、まだ多くは解明されていないというのが実情です。
若ハゲの最大の原因は遺伝だと言われています。これは、ハゲの原因の多くが男性ホルモンが関係する男性型脱毛症によるものだからです。
しかも、ハゲは男性の場合は優性遺伝なので、父親か母親のどちらかの家系にハゲの遺伝子があれば、産まれてきた男の子は引き継いでいることになります。
例えば、両親ともハゲの遺伝子を持っている場合、両親のどちらかがハゲの遺伝子を持っている場合、さらに両親のどちらもハゲの遺伝子を持っていない場合の3つのケースを考えると、女性の場合は両親からハゲの遺伝子を引き継いだとしても髪が薄くなる程度、片方だけの場合は全く影響はでません。しかし、その女性が男の子を産んだ場合、その子には50%の確立でハゲの遺伝子が引き継がれます。父親だけがハゲの遺伝子を持っている場合は50%、両親ともに持っている場合は75%の確立で、その息子はハゲる可能性があるのです。
しかし、これは医学的に証明されているわけではなく、遺伝学的な数字上の話です。ハゲの家系にハゲが多く見られるのは事実ですが、これはハゲの潜在的な下地があり、ハゲる可能性があるという程度に解釈していたほうがいいでしょう。