技術コラム

JHIの社員がつづる、
テクノロジーコラムです。
ホース配管製品の製造やそれに関係する技術について
書き留めたコラムです。

AM(3D積層造形)

AMコラム第3回 『AM(Additive Manufacturing)取組み』について

PPSに関する紹介

図1.バッテリーフォルダ.png

PPSで造形したバッテリーホルダー部品

JHIでは、オープンマテリアル対応機種となるARGO500にて、PPSの造形および研究開発を行っております。PPSは良好な耐熱性、難燃性、電気的特性を有しています。

JHIではRoboze社の3Dプリンター、ARGO500にて日本樹脂メーカーから供給されたPPS樹脂を使用して造形を行っています。ARGO500がオープンマテリアル対応機種であるため、純正材料以外の材料利用が可能です。この機能を利用することで、国内メーカーにて製造されたPPS樹脂の利用を可能としています。FDM方式を活用した中空構造かつ複雑形状のPPS造形を行い、耐熱性および優れた電気的特性を有した部品造形を行っております。PPSの主な特徴は下記の通りです。

 ・優れた絶縁性。
 ・優れた耐熱性。
 ・高い耐食性。

市場におけるPPSの使用例として、端子台、自動車用ウォーターポンプ、樹脂ベアリングといったものがあります。端子台について、弊社で実際に造形した製品があります。PPSの持つ耐熱性と絶縁性を生かした部品となります。切削加工では不可能な中空構造とすることで、材料コストと重量を抑えました。EVなどで軽量化によるエネルギー効率の向上が狙えると考えております。

HPコラム用画像_図2、3.png

自動車用ウォーターポンプ(参考)   PPS-GFインペラ(参考)

 自動車用ウォーターポンプのインペラにPPSが使用されています。ウォーターポンプの材質は、主にPPS-GFが利用されています。PPS単体では靭性に乏しく高温の液体を取り扱うことを考慮し、フィラー強化したPPSが使用されています。弊社3DプリンターではノンフィラーのPPSですが、市場で使用されているPPSはフィラー強化されているものが多く使用されています。このような背景があるため、JHIではPPS-GF材による3Dプリント技術の開発を積極的に行っております。将来的にはPPS-GFによる造形サービスを展開することを目標としておりますので、ご期待ください。

 JHIではPPS以外にも各種プラスチック材料による造形を承っております。造形のみならず、設計から解析、データ作成、検査等の技術支援を併せた提案が可能です。設計のみ解析のみといった個々の依頼についても承ります。

ご用命の際はお問い合わせフォームよりご連絡ください。