技術コラム

JHIの社員がつづる、
テクノロジーコラムです。
ホース配管製品の製造やそれに関係する技術について
書き留めたコラムです。

その他

「パイプ」(Pipe) と 「チューブ」 (Tube) の違いについて

配管材を表現する単語は、日本、海外でもいくつか存在しています。

配管材と表現することもありますが、一般的には「パイプ」、「チューブ」や「ホース」とカタカナで呼ぶことが多いと思います。

例えば、カタカナでは、「パイプ」「チューブ」と表現しますが、英語では、(Pipe)(Tube)という表記となります。

それでは、「パイプ」 (Pipe) と 「チューブ」(Tube)は何が違うのでしょうか?

日本語では、想像できるイメージとして、何となく固いものは「パイプ」、ぐにゃぐにゃと柔らかいものは「チューブ」という風に、何となくイメージで使い分けている方が多いと思いますし、それで日本で問題になることは無いと思います。

これが海外になると、英語の(Pipe)、(Tube)は、明確に使い分けていて、全く違うものとなります。

大きな違いとして、まず(Pipe)は内径の呼び径と呼ばれるもので寸法を区分けしていて内径が基本です。

それに対して、(Tube)は実寸の外径で区分けしていて外径が基本です。

また、接続する方法も、(Pipe)はネジを切ってPipe Fitting(パイプ継手)と呼ばれるもので配管を施工していくのが一般的です。その一方、(Tube)は、Tube Fitting(チューブ継手)を使うか、溶接で接合することが一般的です。

当然ですが、それぞれ該当する規格も違ったもので管理しています。

(Pipe)は、ネジを切るために肉厚も厚くとる必要があることから、配管システムが重くなることに加えて、ネジをシール材で使って接合する箇所が多くなる分、配管のリークが発生する可能性が増えるというデメリットがあります。

(Tube)は、(Pipe)に比べると、製造コストが上がることから価格が一般的に高くなるというデメリットがありますが、品質や軽さという面ではメリットがあると言えます。

実際に使われている場所も、(Pipe)は一般家庭などの都市ガス配管や水道の配管などで使われることが多いです。

その一方(Tube)は、工場、病院、研究所などで使用されている特殊なガス配管などをはじめとして、比較的に高い精度を要求されるところで使われることが多いようです。

JHIは、特殊配管を設計製作していることが多いので、当たり前のことですが(Tube)を使った製品を製作しています。

日本は、外来語をカタカナにして取り入れること(いわゆるカタカナ英語)は、非常に上手で便利だと思いますが、その反面本来の意味からは、かけ離れてしまう場合もあるので、特に海外との取引の場合には注意が必要かもしれませんね。

JHIもアメリカ、イギリスなどの企業と取引があるのですが、彼らは、(Tube)のことは絶対に(Pipe)とは言いません。

何かのご参考になれば幸甚です。